「美山荘」での夕食は、大きな芋茎の葉にのせられた八寸で始まった。すごいインパクト。
全体に、この土地の素材を使い、野趣と洗練を織り交ぜたすばらしい完成度。
□ 八寸 たにし 白和え 黄身の味噌漬け いちじく おくら 冷酒は弥栄鶴
□ とうもろこしのすり流し ごま豆腐
□ 鯉のあらいをワサビ醤油で
苦手だった鯉のあらいの印象も、これを食べると一変する。
酢味噌ではなく、ワサビ醤油が添えられている。目の前の清流で育った鯉はクセがない味わいにサクッとした食感。鮎は巻き寿司、塩焼き、炊き込みご飯と姿を変えて登場。1人あたり6匹ぐらい食べたのではないだろうか。塩焼きも大中小とサイズの違う鮎が盛られ、それぞれに違った味わいを楽しめる。
炊き込みご飯も鮎の風味が立ち込める。
□ ごぼう どじょう 川海老 こんにゃく
□ 鮎寿司
□ 笹でいぶされた 鮎の塩焼き 大中小とサイズによって異なった味わい
□ 京都牛の味噌幽庵 葛の葉焼き 花山椒
□ 焼き茄子 太胡瓜 赤万願寺
□ 鮎の炊き込みご飯
□ 大葉と梅干しで
□ メロンのすり流し
満喫。
世の中オリンピックで盛り上がっている中で、携帯の電波も届かず、テレビもなく、心静かに網戸に張り付いたつがいのヤモリを眺めながら早々に眠りについた。
京都の出町柳駅からバスに乗りこみ、峠を越え、揺られること1時間半、花背(はなせ)の大悲山(だいひざん)の麓にある料理旅館「美山荘」にたどりついた。こんな山奥であっても、住所は京都市左京区なのだという。美山荘は、もともとは近くにある峰定寺(ぶじょうじ)の宿坊として建てられたものを、中村外二の設計・施工で増改築されたものだそうだ。このロケーションを活かした佇まいや料理、自然でやわらかいおもてなしで、単に宿というよりは、全てを包んですばらしい体験を楽しむことができるところ。
□ 宿の目の前に小さな川 この川で獲られた鮎が夕食に上がる
□ 湯殿
□ 宿につくと まずは焼いた蓬餅とお抹茶
□ 川のせせらぎとヒグラシの声を聞きながらお風呂に浸かる
□ お風呂は大小二つ
□ 風呂上がりにはスイカのシャーベットがスッと出てきた
[美山荘 (みやまそう)]
京都府京都市左京区花脊原地町大悲山
075-746-0231
祇園の路地中におしゃれなギフトショップがあったので覗いてみたら、となりにカフェがあると案内されて「ZEN CAFE」に寄ってみた。外のギラギラした陽射しの下から、薄暗くて静かで涼しいカウンターに着いて水を飲むと、体全体がスーッと鎮まっていく感じ。それぞれにくず餅や冷やし汁粉、上生菓子などを口にしながら水分補給と体温調整だ。
□ 特製くずもち
[ZEN CAFE (ゼンカフェ)]
京都府京都市東山区祇園町南側570-210
TEL:075-533-8686