□ あんきもの燻製
鮮度のいい「あんきも」を塩をして軽く燻製。箸を入れるとトロッとほぐれ、口に入れるとねっとりとした濃密な味が広がり、薫香で纏められていく。豊盃(ほうはい)の無濾過生原酒をちびり。
□ あんさしの肝溶きポン酢
青森県の風間浦(かざまうら)の活あんこうを「いせ源」で料理してもらって食べ尽くすという、なんとも素敵な企画にご招待いただいた。"あんこうといえば茨木"と思いきや、青森県や北海道の方が水揚げが多いのだそうだ。そして、風間浦のあんこうのすばらしいところは、生きたまま水揚げされること。これをキチンと締めて、1日で「いせ源」に届けられるので、鮮度が命の刺身や肝刺しをおいしく食べられるのだ。
□ あんさし 大葉の上はあんこうのホホ肉
あんこうのような平べったい顔のどこからどこまでが頬(ホホ)なのか難しいが、このホホ肉の食感が格別にいい。うまいと気づいたときには、貴重な1個がすでに胃袋に落ちていくところだったので、いつかまたホホ肉をじっくり味わってみたい。
□ 肝刺し
□ 肝刺し
□ あんこう とも和え
□ 肝卵巣巻き
□ 煮こごり
□ 胃袋か?
「あんこうの七つ道具」と呼ばれる柳肉(身肉、頬肉)、皮、水袋(胃)、キモ(肝臓)、ヌノ(卵巣)、えら、トモ(ヒレ)総出の鍋。全道具が投入されているのかどうかは定かではないが、たぶんあのコリコリとしたものが胃袋だろうか。
□ 皮か?
□ これはあんきもだろう
□ プルプル コリコリ 名代あんこう鍋
□ しめは雑炊
□ あんこう照り焼き
□ 大きなあんきもがどーんと入った茶碗蒸し
□ 山芋のお漬物
→ 「まるごと青森」
[いせ源 本館 (いせげん)]
千代田区神田須田町1-11-1
TEL:03-3251-1229
□ 昔風りんごのタルトと がまずみ りんご ヨーグルトのシャーベット
続いて、青森のフルーツ編。
このりんごのタルトがお気に入り。極薄のクッキー生地にりんごのスライスを載せて焼き上げたもの。シンプルでとてもおいしい。糖度の高いぶどう品種スチューベンの果汁でコンポートにしたプルーンも絶品。プルーンの皮が特においしい。
□ カシスのムースとプルーンのスチューベン葡萄コンポート
□ メロンのスープ
メロンのスープは見た目通りのおいしさ。そしてハーブのブランマンジェは見た目では想像できない味わい。ミントのスーっとした香り。
□ ハーブのブランマンジェ
□ 下北ワイン
東北新幹線は12月4日にいよいよ八戸-新青森間が開通して、東京駅から新青森まで全線開通。しかも3時間20分で結ばれる。青森の食べ物の情報はたっぷり学習したからね、これはもういよいよ乗り込んでいくしかないね。
□ お土産にいただいたまごころ農場のトマトジュース
(ブラック、イエロー、レッド、グリーン、オレンジ)
「青森のフルーツと野菜」と謳った試食会イベントに招待された。青森産の野菜や果物を使って、三田のアンチエイジングレストラン 「CAFE Rire (カフェ リール)」を舞台に、オーナーシェフの堀知佐子氏、「Le Verdurier (ル・ヴェルデュリエ)」 オーナーシェフの小林浩一氏(堀シェフのご主人)が料理を創作してくれるというもの。まずは野菜編から。
□ 蕪のムース(蕪の葉 ジュネ=エゴマ)
今回の一番のお気に入りは「蕪のムース」。蕪の香りそのものがフワっと泡状に仕立てられている。ウマイねー、これ。真似して作ってみたい。
□ 青森シャモロックとフォアグラ 黒ニンニクのバロティーヌ ハーブのサラダ添え
にんにくを熟成させた「黒にんにく」は、見た目と違って果物のような甘さ。この甘さが濃厚なフォアグラと相性良く、さらに青森シャモロックの上質な鶏の強い香りに包まれている。
□ にんにくのスープ
(シャモロックのガラスープにホワイトロッペンニンニク、大西ハーブ農園のイタリアンパセリ)
□ 奥入瀬ガーリックポークのアールグレー蒸しのソテー アピオスと初雪茸を添えて
(もも肉はソテー、肩ロースはアールグレーで蒸し煮してソテー)
どんぐりのように見えているのは、アピオスという栄養満点のお芋。味もよく、大好き。
□ 奥入瀬ガーリックポークのアールグレー蒸しのソテー
□ 南部せんべいのブルスケッタ三種
(シャモロックのレバーペースト、八戸前沖銀鯖の青森にんにくソテー、タルタル)
これは実際に食べてもらわんと、きっとまったく理解してもらいえないと思う。
青森の南部せんべいを使ったイタリアンという、きわめて異色な企画に呼んで頂いた。いかんせん、ちょっと無謀とも思えたこの取り合わせも、食べ終わってみれば、まったく違和感のない、むしろ南部せんべいの変幻自在な食感にすっかり魅せられてしまった。
南部せんべいは、水分を含むとふやけてモチモチの食感になり、アルデンテのパスタやピザのドゥのようになってしまう。一方、三戸タイプと呼ばれる薄手の南部せんべいはパリパリでかるーい食感で、クラッカーやウェハースのようなのだ。
この南部せんべいが、日本橋の「クッチーナ イタリアーナ ラ フェニーチェ」の鳥谷部拓彰シェフによって次々とおいしいイタリア料理になっていくのよ。天才だね。もちろん、南部せんべいだけではなく、肉や野菜もほとんどが青森産。
□ 南部せんべいのみみとシャモロック、青森野菜のミネストローネ
このミネストローネに使われているのは、南部せんべいの「みみ」と呼ばれる、あのせんべいフチの切り落としだ。これがスープの中でモチモチとした状態になり、本来ミネストローネというものはこれが正しいのではないかと思えるほど相性ぶりを発揮する。
□ やわらかくもっちりした「てんぽせんべい」(ごま、ドライイチジク、松の実)
「てんぽせんべい」というのは南部せんべいの中でもちょっと変わっていて、やわらかくモチモチした食感。焼きたてを食べるものらしい。この日はシェフがせんべい焼き器を買って、焼いてくれた。ドライイチジクや松の実なんかが入ったオリジナルだ。
□ ホットアップルサイダー
一見するとビールのようだが、ビールは後ろのコップ。手前は「ホットアップルサイダー」。これも実際に飲んでみないとそのおいしさが伝わらないと思うけど、温かいアップルジュースに生クリームが浮かべてあって、かなりおいしい。
□ 青森野菜のバーニャカウダ
□ 生ハムとサラミ、シャモロックのスモーク
□ 南部せんべいのピッツァ三種
(マルゲリータ、青森りんごとゴルゴンゾーラ、あすなろ玉子のビスマルク)
□ 南部せんべいのラザニア
□ 南部せんべいのラザニア(クリック拡大:ボロネーゼソース)
□ 南部せんべいのラザニア(クリック拡大:八戸産ヤリイカと陸奥湾産帆立貝)
□ 南部せんべいの衣をまとった奥入瀬ガーリックポークのコトレッタ
南部せんべいで挟んだ自家製ジェラートの盛り合わせ
□ フォアグラとトリュフを載せた十和田市産ダチョウと七戸町産短角牛
現代青森料理とワインの店「ボワヴェール」で青森県産品の試食会。希少な食材をその特徴を生かしながら創作的に美味しい料理に仕上げていくこのイベントは、ほんとうに素晴らしい。今回のテーマは「肉」。ブルーチーズと合わせても負けない宮内庁御用達の「銀の鴨」のキッシュや赤身の旨みが深い短角牛など、実にウマイ。
「けの汁(かゆの汁)」とは野菜や山菜を米にみたてて細かく切って味噌やしょうゆで味つけした料理。このスタイルを取り入れて、馬肉の赤身、タテガミ、弘前野菜を細かく刻んでタルタルにし、アボカドのディップの上に盛り付けられ、なんとも贅沢な一品になっている。根曲がり筍も、収穫してから加熱されるまでの時間が大事。筍、トウモロコシ同様、時々刻々と劣化するとのことで、この日のために最短で運ばれてきた貴重品。
□ 奥入瀬町銀の鴨とブルーチーズキッシュ 野辺地の小株サラダ
□ 大鰐町産あすなろ卵のロイヤルスタイル
□ 大鰐町産青森シャモロックのエヴァンタイユ
□ 田子町産にんにくのペペロンチーノ 奥入瀬ガーリックポークのスペアリブ
このペペロンチーノは絶品! 黒石町の汁焼きそばをイメージして、ペペロンチーノに特製出汁を加え、東北長産長芋のとろろをかけてあるのだそうだ。このにんにくの風味ととろろ芋の食感が実に相性がいい。この組み合わせはいろいろ応用できそうだ。
□ ガトーショコラクラシック 黒にんにくのアイスクリーム添え
お腹いっぱいで会話も無くなり静かになっていたのに、デザートが出るとまた元気が出てくるから不思議だ。ガトーショコラの中に干し柿が、アイスクリームの中には黒にんにくが入っている。
□ 格闘家のように筋肉質な川口シェフ 実は関西出身
ごちそうさまでした!
青森シリーズ ① 七子八珍
青森シリーズ ② 青森の肉
青森シリーズ ③ 青森シャモロック
[現代風青森料理とワインのお店 ボワヴェール]
港区西新橋1-13-4 B1 MAP HP
TEL:03-5157-5800
□ 青森納豆 つぶ
すっかり青森びいきになってしまった2008年、大取りは、これもぷるみえさんに教えていただいた「青森納豆」。東武百貨店の地下二階「ひとあじや」で、タイミングよく入荷したてのものを入手できた。大粒でふんわりとやわらかく、強い糸を引く。ひきわりの方は強いミネラル味と納豆臭で、インパクト大。こういう納豆が好き。
□ ひきわり
□ 御なたね油
高校生の頃、いとこの運転する車に乗って東京から下北半島の大間まで行き、フェリーに乗って北海道まで北上したことがあった。仙台までは快適であっとういう間に着いたものの、その後の大間までがとてつもなく遠く感じた気がする。特に、照りつけるような日差しの中、陸奥湾に沿って人も車も見当たらない真っ直ぐの道を走っているときは、時間が止まってしまったような気すらしたものだ。「横浜」....そんな道の途中に「横浜」という地名を見つけて、「青森にも横浜があるんだぁ」とつぶやいたことを鮮明に覚えている。
先日の青森ナイトでは、なんとお土産セットまでついていて、殻が緑色の「緑の一番星」という卵や、無褐変りんご「あおり27号」、青森で大流行しているという「味噌カレーミルクラーメン」のカップ麺などといっしょに、小さな瓶に入ったな「御なたね油」があった。「キザキノナタネ」という優れたバランスの食用菜種の実を非焙煎一番絞りで静置し、飴色になった上澄みだけを精油したものなのだそうだ。プレミアムなバージン菜種オイルというわけだ。この「御なたね油」が「青森県横浜町」産だという。「あー、あの横浜が一面菜の花畑になっているんだなぁ」と感慨深く、ナッツのような香のするサラッとしたオイルをパンに浸して食べてみた。
□ 香り米「恋ほのか」のリゾット 青森県産真鱈の香草焼き添え(クリック拡大)
□ じゃっぱ汁風スープをリゾットに添えて
青森では香り米まで作っているんだね。「恋ほのか」、おいしいリゾットに仕上がっていた。おもしろいのは、これにスープを添えて食べるところ。鱈つながりで、白子の上品なじゃっぱ汁(あら汁)がやってきた。少し冷めてチーズが固まり始めたリゾットにこのじゃっぱ汁をかけてほぐしながら食べるとまたおいしい。
□ 陸奥産真鯖のマリネと冷燻製 弘前産冬陽春菊のサラダ 山ぐるみソース
自分にとってこれはすごい発見だったかもしれない、鯖の冷燻(写真右奥)。加熱燻製ではなく冷やした煙で燻す、いわば生ハム状の鯖。あるいはみずみずしい鰹節とでもいうのか、とにかくおいしい。いわゆる鯖のニオイが燻煙とマッチしてすばらしい味わいに変化している。酒との相性もいい。冷凍で流通しているらしい。
めくるめくアオモリナイトの第三弾「クリスマス編」が日本橋の「クッチーナ イタリアーナ ラ フェニーチェ」で催された。(第一弾「海の幸編-七子八珍-」はこちらのエントリーで、第二弾「肉編」はこちらのエントリーでどうぞ) あまりにネタが豊富過ぎるので、3-4回に分けてエントリー。今回はクリスマスがテーマということでメインは青森シャモロックという鶏の丸焼き。肉質に優れ、ダシがよく出る速羽性横斑プリマスロックと青森県原産の横斑シャモを交配させた品種で、その多くが宮内庁の御料牧場に継続的に出荷されてきたものだという。実に味がいい。特に皮の部分のウマさはすばらしい。
□ 深浦産雪中人参のムース
雪中人参は収穫を大幅に遅らせ、寒気にさらすことで、人参自ら糖度を高めて、凍るのをふせごうとする力を生かしたもの。人参嫌いな私でもおいしくいただけた。
□ 脇野沢産猪(ウエノシシ)の自家製ハム、サラミ
猪の燻製もうまかった。特に真っ白の、融点の低い脂の部分は、馬肉のタテガミとよく似た食感。コリコリとしてクセもなく、おいしい。
□ 青森野菜のピクルス
□ 青森野菜のミネストローネ、七戸町産長いもの「ひっつみ」仕立て
□ 大鰐産青森シャモロック 土鍋焼き 煮込み ビールフリット
□ シャモロック 土鍋焼き
□ シャーベット三種
変色しないリンゴあおり27号 ぶどうスチューベン 洋梨ゼネラル・レクラーク
□ 青森県産の実まで赤いリンゴのブッシュ・ド・ノエル
□ 無褐変りんごあおり27号(左奥) と 通常のリンゴ(右手前)
あおり27号はまだ市場に出回っていないリンゴ。リンゴの中の酸化変色を起こすポリフェノールが弱いため、切っておいてもすりおろしても、白いままなのだそうだ。これから苗を増やし、育成して5年後くらいに市場に出回るらしい。
□ 十和田市ヘライファーム産ダチョウのカルパッチョ
□ 大西ハーブ農園の香草サラダ添え
□ 七戸町産にんにくとバルサミコソース
めくるめくアオモリナイトの第二弾「肉編」が日本橋の「クッチーナ イタリアーナ ラ フェニーチェ」で催された。(第一弾「海の幸編-七子八珍-」はこちらのエントリーでどうぞ。) もうね、お肉も野菜も、ソースも、とにかく青森県産の珍しい素材のオンパレードなのだけれど、主役が多すぎて一瞬たりとも気が抜けない。たとえば、ダチョウのカルパッチョ。ダチョウはクセがなく、しっかりとした歯ごたえで期待感あふれるオープニング。でもそこに添えられているルッコラもインパクトのある味がする。聞けば日本で売られているハーブの多くがマイルドに品種改良されているのに対し、この大西ハーブ農園のハーブはその殆どが原種に近く、香りが非常に強いものらしい。そのおかげで、害虫を寄せつけず、農薬を使わずに育てられるとのこと。
□ 純国産バルバリー鴨「銀の鴨」の自家製スモーク サラダ仕立て
□ 真っ黒フルーツにんにくのドレッシング
この「銀の鴨」もいわくつきで、皇太子・雅子さまご結婚の儀に供されたもの。そして、ドレッシングに使われている「フルーツにんにく」がまたすごい。にんにくは本来糖度が40度以上あり、ものすごく甘いものなのだそうだが、他の強烈な成分でマスキングされてわかりにくいらしい。それを臭い抜きして海洋深層水に漬け込み、熟成発酵させただけでこんなに黒く、そしてフルーツのような甘さが引き出される。ねっとりとしてまるでプルーンのようだ。
□ 十三湖産天然「大和しじみ」と初雪茸の七戸町産長芋の自家製ニョッキ
□ 阿房宮菊と海鮮キャビア添え
□ 脇野沢産猪豚の自家製ベーコンを使ったブカティーニ・アマトリチャーナ
□ パルミジャーノのフォンドゥータソース
□ 青森県産三種のブランド豚「南部赤豚」「長谷川自然豚」「奥入瀬ガーリックポーク」の炭火焼
□ 青森野菜アピオスの炭火焼を添えて
三種の豚肉を一度に食べ比べることなんて初めてだけれど、かなり面白い。それぞれに個性があって、どれもそれぞれにおいしい。個人的には「南部赤豚」の脂の味が好き、まわりでは「長谷川自然豚」が人気が高かった。
□ 短角牛「八甲田牛」のタリアータ
□ 赤ワインとジョミ「ガマズミ」のソース
□ 嶽きみと大西ハーブ農園のルッコラ、インカトマト添え
さてさて、短角牛「八甲田牛」の登場。八甲田牛には申し訳ないが、もう三種の豚肉でかなりお腹がいっぱいになってしまった。でも、この色の美しさ!そして淡白ながらしっかりした味わい。前菜に出されてもいいくらい。そして添えられている「嶽きみ(だけきみ)」。岩木山麓・嶽高原で栽培されているとうもろこしで、津軽弁でとうもろこしのことを「きみ」というのだそうだ。この「嶽きみ」がものすごく甘く、味がいい。今回は「肉」特集なのだけれど、個人的な最大の収穫はこの「嶽きみ」だったりする。
□ 青森県産ブルーベリーのレアチーズ
□ 青森県産「シャイニーアップルジュース」のグラニータ添え
□ 「緑の一番星」のクレムドブリュレ
□ 殻が緑色をした「緑の一番星」という卵
クレムドブリュレで使われている「緑の一番星」は、青い卵を産む「アロウカナ」と、茶褐色の卵を産む「ロードアイランドレッド」とかけ合わせた品種で、α-リノレン酸豊富なエゴマや田子特産にんにくを与えて育てた鶏のたまご。
□ ジョミエモン
ジョミとはガマズミの実で、それを絞った100%ジュースと吟醸粕取焼酎「稲本屋利右衛門」をあわせ、トニックウォーターで割ったものが「ジョミエモン」。これはかなりおいしい!
□ 吟醸粕取焼酎 稲本屋利右衛門